親が亡くなった後の健康保険はどうする?資格確認書・葬祭費・埋葬料を整理

親が亡くなった後の健康保険手続きについて、資格確認書や書類を確認するイメージ 葬儀後の手続き

親が亡くなったあと、「健康保険は何か手続きが必要?」「葬祭費はどこへ申請する?」「扶養家族の保険はどうなる?」と迷うことがあります。

最初に確認するのは、

亡くなった親が、どの健康保険に加入していたか

です。この記事では、

  • 後期高齢者医療
  • 国民健康保険
  • 会社の健康保険

に分けて、死亡後に確認することを順番に整理します。

  1. 最初に結論|まず「どの健康保険だったか」を確認する
  2. 2026年は「健康保険証」ではなくマイナ保険証・資格確認書
  3. STEP1|まず加入していた健康保険を確認する
  4. STEP2|後期高齢者医療だった場合
    1. 資格確認書などを確認する
    2. 葬祭費を申請できる場合がある
    3. 運営者の場合
  5. STEP3|国民健康保険だった場合
    1. 親が世帯主だった場合は要注意
    2. 国民健康保険にも葬祭費がある
  6. STEP4|会社の健康保険だった場合
    1. 親自身が被保険者だった場合
    2. 親が被扶養者だった場合
    3. 親自身が被保険者で、家族を扶養していた場合
  7. 葬祭費と埋葬料を簡単に整理
  8. STEP5|親の扶養に入っていた家族は、新しい健康保険を確認する
    1. 「亡くなった本人」だけでなく、残された家族も確認する
  9. STEP6|マイナンバーカードはどうする?
    1. すぐ捨てない方がよい理由
  10. STEP7|死亡前の医療費について、まだ受け取れる給付がないか確認する
    1. 高額療養費
    2. 他の医療給付も確認する
  11. STEP8|保険料の精算が残る場合もある
  12. 健康保険の死亡後手続きを比較
  13. 今日やるなら、この6つ
    1. 加入していた健康保険を確認
    2. 資格確認書・資格情報関係の書類をまとめる
    3. 葬祭費・埋葬料等を確認
    4. 扶養家族への影響を確認
    5. 最後の医療費関係書類を保管
    6. マイナンバーカードはすぐ処分しない
  14. 死亡後の健康保険チェックシート
  15. まとめ|健康保険は「どこに加入していたか」から確認する
  16. 主な情報源・確認日

最初に結論|まず「どの健康保険だったか」を確認する

親が亡くなったら、まず手元の書類やマイナポータル、勤務先関係の書類などから加入制度を確認します。

親が亡くなった
↓
どの健康保険だった?
├─ 後期高齢者医療
│  → 資格関係書類を確認
│  → 葬祭費を申請
│
├─ 国民健康保険
│  → 死亡による脱退
│  → 世帯主変更の可能性
│  → 葬祭費を申請
│
└─ 会社の健康保険
   ├─ 親自身が被保険者(本人として加入)
   │  → 資格喪失
   │  → 埋葬料・埋葬費を確認
   │  → 親の被扶養者は新しい健康保険を確認
   │
   └─ 親が被扶養者(家族の扶養として加入)
      → 被扶養者資格の終了
      → 家族埋葬料等を確認

さらに、

  • 死亡前の高額療養費
  • 医療費の還付
  • 本人が生前に受け取る権利があったものの、まだ支給されていない医療費の払い戻しなど

が残っていないかも確認します。

2026年は「健康保険証」ではなくマイナ保険証・資格確認書

従来の健康保険証は、2024年12月2日以降、新たに発行されなくなりました。

すでに発行されていた健康保険証も2025年12月1日で有効期限が終了しています。

期限切れの旧健康保険証を持参した人への暫定的な取り扱いも、2026年7月31日で終了しました。

2026年9月現在、医療機関・薬局では基本的に、

  • マイナ保険証
  • 資格確認書

で資格確認を行います。

そのため死亡後の手続きでも、

「健康保険証を持っていく」

という古い情報だけで判断せず、

資格確認書など、実際に親が持っていた現在の資格関係書類を確認する

ことが大切です。

STEP1|まず加入していた健康保険を確認する

高齢の親の場合、主に次の3つが考えられます。

加入していた制度 主な確認先 葬儀後の主な給付
後期高齢者医療 市区町村・後期高齢者医療広域連合 葬祭費
国民健康保険 市区町村 葬祭費
会社の健康保険 勤務先・加入していた健康保険者 埋葬料・埋葬費・家族埋葬料等

75歳以上であれば、原則として後期高齢者医療制度に加入しています。

65歳以上75歳未満でも、一定の障害があり、後期高齢者医療広域連合の認定を受けて加入している場合があります。

年齢だけで決めつけず、資格確認書、資格情報のお知らせ、自治体からの書類などで確認します。

STEP2|後期高齢者医療だった場合

75歳以上の親であれば、後期高齢者医療制度に加入しているケースが多いでしょう。

死亡後は、親が住んでいた市区町村の後期高齢者医療担当窓口で、

  • 資格関係書類
  • 葬祭費
  • 保険料
  • 本人が生前に受け取る権利があったものの、まだ支給されていない医療費の払い戻しなど

などを確認します。

資格確認書などを確認する

親が、

  • 資格確認書
  • 限度額関係の認定証
  • 特定疾病関係の証書

などを持っていた場合は、死亡後の手続き時に自治体へ持参するよう案内されることがあります。

自治体によって扱いが異なるため、

親が持っていた医療関係の証書類は、手続きが終わるまでまとめて保管する

と考えておくと分かりやすいです。

葬祭費を申請できる場合がある

後期高齢者医療制度には、加入者(被保険者)が亡くなった場合、葬祭を行った人へ葬祭費を支給する制度があります。

兵庫県後期高齢者医療広域連合では、葬祭を行った人(喪主)に5万円が申請により支給されます。申請先は、亡くなった人の住所地の市(区)町の担当窓口です。

ここで注意したいのは、

死亡届を出せば自動的に振り込まれるわけではない

ことです。

葬祭費は別途申請します。

金額、必要書類、申請方法は加入していた広域連合・自治体によって異なるため、該当する窓口の最新案内を確認してください。

申請者や必要書類などは、親が亡くなった後の葬祭費を申請した流れでも詳しく整理しています。

運営者の場合

運営者の母が亡くなった際は、後期高齢者医療に関する資格確認書を市役所へ返却しました。

一方、マイナンバーカードは資格確認書とは別のカードです。神戸市では、所有者が亡くなった場合も返還は不要と案内されています。運営者はカード本体を手元に戻してもらい、しばらく保管しました。

これは運営者のケースです。

自治体によって窓口での案内が異なる場合があるため、

資格確認書とマイナンバーカードを同じものとして扱わない

ことが大切です。

STEP3|国民健康保険だった場合

親が国民健康保険に加入していた場合は、死亡による脱退の手続きを自治体へ確認します。

例えば神戸市では、住所地の区役所・支所へ14日以内に届出を行うよう案内しています。来庁時の持ち物として、死亡を証明する書類と、亡くなった人の「資格確認書」「資格情報のお知らせ」のいずれかが示されています。

親が世帯主だった場合は要注意

亡くなった親が国民健康保険の世帯主だった場合、同じ世帯に国保加入者が残っていると、追加の手続きが必要になることがあります。

例えば神戸市では、

  • 世帯主変更
  • 被保険者番号の変更
  • 新しい資格確認書・資格情報のお知らせの交付
  • 旧資格確認書等の返却
  • 保険料の再計算

などが必要になる場合があります。神戸市の現行ページでは、世帯主変更時は世帯全員分の資格確認書・資格情報のお知らせのいずれかを持参するよう案内されています。

つまり、

亡くなった本人の資格だけ終わればよい

とは限りません。

同じ世帯の家族が国保に加入している場合は、その家族の資格関係も確認します。

国民健康保険にも葬祭費がある

国民健康保険でも、被保険者が亡くなった場合、葬祭を行った人へ葬祭費が支給される制度があります。

神戸市では現在、5万円です。

また、神戸市では葬祭を行った日の翌日から2年を経過すると、葬祭費の請求権が消滅すると案内しています。

自治体によって金額や申請方法が異なるため、親が住んでいた自治体で確認します。

直前まで会社の健康保険に加入していた場合は、以前の健康保険にも確認してください。協会けんぽでは、資格喪失後3か月以内の死亡など一定の場合に、以前の健康保険から埋葬料・埋葬費が支給されることがあります。ただし、資格喪失後に加入した健康保険から同種の給付を受ける場合は重複して支給されません。

STEP4|会社の健康保険だった場合

会社の健康保険は、親自身が本人として加入していたのか、家族の扶養として加入していたのかで手続きが異なります。ここでいう「資格喪失」とは、その健康保険を使える資格がなくなることです。勤務先や加入していた健康保険者へ確認し、資格確認書等は案内に従って返却します。

親自身が被保険者だった場合

被保険者とは、会社の健康保険に本人として加入している人です。協会けんぽでは、被保険者が亡くなった場合、被保険者によって生計を維持されていた人へ埋葬料5万円が支給されます。

埋葬料を申請できる人がいない場合は、実際に埋葬を行った人へ、実際の埋葬費用の範囲内で上限5万円の埋葬費が支給されます。

親が被扶養者だった場合

被扶養者とは、家族の会社の健康保険に扶養として入っている人です。協会けんぽでは、被扶養者が亡くなった場合、被保険者へ家族埋葬料5万円が支給されます。

健康保険組合などでは名称・金額・必要書類が異なる場合があるため、勤務先または加入していた健康保険者へ確認してください。

親自身が被保険者で、家族を扶養していた場合

親の死亡により、その家族は親の健康保険の被扶養者として継続できません。自身の勤務先の健康保険、別の家族の被扶養者、国民健康保険などから、新しい医療保険を確認します。

新しい保険への加入時に、以前の健康保険を使える資格がなくなったことを示す資格喪失証明書等が必要になる場合があります。

国保・後期高齢者医療の「葬祭費」と、会社の健康保険の「埋葬料・埋葬費・家族埋葬料」は、名称も条件も異なります。

葬祭費と埋葬料を簡単に整理

制度 主な給付
後期高齢者医療 葬祭費
国民健康保険 葬祭費
会社の健康保険 埋葬料・埋葬費・家族埋葬料等

金額も制度・自治体・健康保険者によって確認します。

「葬儀をしたら必ず全国一律5万円」

とは考えないようにします。

STEP5|親の扶養に入っていた家族は、新しい健康保険を確認する

ここは見落としやすいところです。

例えば父が会社員で、

母が父の健康保険の扶養に入っていた

とします。

父が亡くなると、母はそのまま父の健康保険を使い続けることはできません。

父が亡くなる
↓
母は父の健康保険の被扶養者として継続できない
↓
母の新しい医療保険を決める

候補は、

  • 自身の勤務先の健康保険
  • 別の家族の健康保険の扶養に入る
  • 国民健康保険

などです。必ず国民健康保険に入るとは限りません。

その際、

健康保険資格喪失証明書

など、以前の健康保険の資格を失ったことを証明する書類が必要になる場合があります。

「亡くなった本人」だけでなく、残された家族も確認する

死亡後の健康保険では、

亡くなった本人
↓
資格喪失

だけでなく

扶養されていた家族
↓
新しい健康保険へ

まで確認することが重要です。

STEP6|マイナンバーカードはどうする?

ここは資格確認書と分けて考えます。

マイナ保険証
=健康保険証利用登録をしたマイナンバーカードです。

資格確認書
=マイナ保険証を利用しない人などが、保険診療を受ける際の資格確認に使う書類です。

マイナンバーカード自体は健康保険専用のカードではありません。

そのため、

資格確認書を返却したから、マイナンバーカードも同じように返却する

とは考えません。

例えば神戸市では現在、

亡くなった人のマイナンバーカードは返納不要

と案内しています。

これは神戸市の案内です。自治体によって案内が異なる可能性があるため、亡くなった人の住所地の自治体へ確認してください。

すぐ捨てない方がよい理由

死亡後の諸手続きで、亡くなった人の個人番号やカード記載事項を確認する必要が生じることがあります。返納不要と案内されている自治体では、

死亡後の手続きが一通り終わるまでは保管

しておくと確認しやすくなります。ただし、死亡後も本人確認や電子サービスに通常どおり利用できるという意味ではありません。

STEP7|死亡前の医療費について、まだ受け取れる給付がないか確認する

親が亡くなる直前には、

  • 入院
  • 手術
  • 通院
  • 高額な医療費

が発生していることがあります。

この場合、

亡くなったから医療費関係の手続きもすべて終了

とは限りません。

高額療養費

1か月の医療費の自己負担が制度上の限度額を超えた場合、超過分が払い戻される高額療養費という制度があります。

親が申請する前に亡くなった場合でも、制度によっては相続人が請求できる場合があります。

協会けんぽでは、被保険者が亡くなった後に相続人が高額療養費を請求する場合、続柄が確認できる戸籍謄本等を提出する手続きを設けています。

制度改正の影響を受けやすいため、この記事では自己負担限度額の一覧は掲載しません。死亡前の診療分について、未請求の高額療養費がないかを加入していた保険者へ確認してください。

他の医療給付も確認する

「未支給の給付」とは、本人が生前に受け取る権利があったものの、まだ支給されていない医療費の払い戻しなどです。場合によっては、

  • 療養費
  • 高額介護合算療養費
  • 医療費の還付
  • その他の未支給の給付

などが残っている可能性があります。

親の最後の入院・通院について、

  • 領収書
  • 医療費通知
  • 保険者から届いた書類

を処分せず、しばらく保管します。

STEP8|保険料の精算が残る場合もある

国民健康保険や後期高齢者医療では、死亡により保険料の再計算が行われる場合があります。

その結果、

  • 未納分を支払う
  • 払い過ぎた保険料が還付される

ことがあります。神戸市の国保でも、月末までに脱退した月の保険料はかからない一方、納付時期との関係で期別の保険料を支払う場合があると案内しています。

自治体から後日、変更後の保険料や還付について通知が届く場合があるため、

葬祭費を受け取ったら健康保険関係は全部終了

とは考えず、保険料の通知も確認します。

健康保険の死亡後手続きを比較

確認項目 後期高齢者医療 国民健康保険 会社の健康保険
主な窓口 自治体・広域連合 自治体 勤務先・保険者
死亡後の資格関係 資格確認書等を確認 死亡による脱退 本人加入なら資格喪失、扶養加入なら被扶養者資格が終了
残された家族への影響 原則本人単位 世帯主なら他加入者に影響も 親が扶養していた家族は新しい保険を確認
葬儀関係の給付 葬祭費 葬祭費 埋葬料・埋葬費・家族埋葬料等(親が本人加入か扶養加入かで異なる)
死亡前の医療費給付 未支給分確認 未支給分確認 高額療養費等確認
保険料等の精算 再計算・未納・還付を確認 再計算・未納・還付を確認 勤務先・保険者へ確認

今日やるなら、この6つ

加入していた健康保険を確認

  • 後期高齢者医療
  • 国保
  • 会社の健康保険

のどれか確認します。

資格確認書・資格情報関係の書類をまとめる

限度額関係の認定証なども一緒にします。

葬祭費・埋葬料等を確認

自動支給とは限りません。

扶養家族への影響を確認

いる場合は新しい健康保険を確認します。

最後の医療費関係書類を保管

高額療養費等が残っていないか確認します。

マイナンバーカードはすぐ処分しない

死亡後の各種手続きが終わるまで保管します。

死亡後の健康保険チェックシート

確認できた項目にチェックを入れられます。

まとめ|健康保険は「どこに加入していたか」から確認する

親が亡くなった後の健康保険は、

昔の保険証を返却して終わり

ではありません。

2026年現在は、

  • マイナ保険証
  • 資格確認書

を前提とした制度になっています。旧健康保険証は有効期限が終了し、期限切れの旧健康保険証を持参した場合の暫定的な取り扱いも2026年7月31日で終了しています。

まず、

親が入っていた健康保険を確認
↓
後期高齢者 / 国保 / 会社の健康保険
↓
資格関係の手続き
↓
葬祭費・埋葬料
↓
扶養家族
↓
未支給の医療費給付
↓
保険料精算

という順番で確認します。

特に、

葬祭費・埋葬料は申請が必要な場合がある

ことと、

亡くなった本人の扶養に入っていた家族は、新しい健康保険を確認する必要がある

ことは見落とさないようにしたいところです。

また、資格確認書とマイナンバーカードは別物です。

死亡後の手続きが一通り終わるまでは、親が持っていた健康保険・医療関係の書類をまとめて保管しておくと、後から確認しやすくなります。

死亡後の手続き全体の優先順位は、親が亡くなった後の手続きは何から始める?葬儀後に確認する順番でも確認できます。

主な情報源・確認日

情報確認日:2026年9月8日。

健康保険の死亡後手続き、葬祭費・埋葬料、資格確認書の返却、保険料精算などは、加入していた保険者や自治体によって異なります。実際の手続きは、亡くなった人が加入していた健康保険の最新案内を確認してください。

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