親がペットを飼えなくなったらどうする?入院・施設入居・死亡に備えて家族で確認すること

親の急な入院などに備え、犬と猫の世話の情報、鍵、キャリーを準備するイメージ 親の暮らし・家族の準備

高齢の親が犬や猫などのペットと暮らしていると、「急に入院したら、この子はどうなる?」「施設へ入ることになったら誰が引き取る?」「親が亡くなったとき、家族で飼えるだろうか」と気になることがあります。

親本人は「何かあったら家族が引き取ってくれる」と思っていても、家族がペット不可の住宅に住んでいる、アレルギーがある、仕事で留守が多い、先住ペットとの相性があるなど、簡単には引き取れない場合があります。

大切なのは、「家族だから何とかしてくれる」と本人だけで決めないことです。

この記事では、親が入院・施設入居・死亡などでペットを飼えなくなった場合に、家族が最初に何を確認し、誰へつなげればよいかを順番に整理します。

最初に結論|まず「今日と明日の世話」を確保する

親に何か起きたとき、ペットにはその日から水、食事、トイレ、散歩、薬などの世話が必要です。相続や家の手続きより先に、まず今日と明日の世話を確保します。

  1. 家へ入れる人を確認する
  2. 水・食事・トイレ・散歩・薬を引き継ぐ
  3. 数日から数週間の一時預け先を決める
  4. 長期化する場合は、最終的な飼い主を探す
  5. 登録・病院・保険などを引き継ぐ

短期の預け先と、長期的な飼い主は分けて考えると整理しやすくなります。

STEP1|親の家へ誰が入れるか確認する

最初に困るのが、「ペットが家にいるのに、中へ入れる人がいない」という状態です。事前に次を確認しておきます。

  • 家の鍵を持つ人
  • 合鍵の場所
  • 賃貸住宅なら管理会社・大家の連絡先
  • 最初に連絡する家族
  • ペットが隠れやすい場所や脱走への注意点

賃貸住宅の場合、家族が自由に入れるとは限りません。緊急時の連絡方法を本人と確認し、管理会社の連絡先も控えておきます。

STEP2|ペットの基本情報を1枚にまとめる

親しか分からない情報が多いと、急な入院時に困ります。紙でもスマートフォンの共有メモでもよいので、次の情報を一か所にまとめます。

確認項目 記入する内容
名前・種類・年齢 品種や推定年齢も記載
フード 商品、1回量、回数、保管場所
薬・療法食 薬の名前、時間、与え方
動物病院 病院名、電話番号、診察券の場所
ペット保険 会社名、証券・会員番号
登録情報 マイクロチップ番号、犬の登録
日常の世話 散歩、トイレ、留守番の方法
性格・注意点 苦手なこと、かみ癖、脱走、他の動物との相性
用品の場所 キャリー、ケージ、リード、薬

環境省も、災害などに備え、ペットの健康状態や治療歴、飼い主の連絡先などを日頃から整理しておくよう案内しています。緊急時に持ち出せる場所へ置き、情報が変わったら更新します。

STEP3|短期の預け先と長期の飼い主を分ける

数日から数週間の入院

短期なら、家族・親族・知人のほか、ペットホテル、動物病院、ペットシッターなどが候補です。この段階で「誰が一生飼うか」まで決めなくても構いません。まず安全に世話を続けられる状態をつくります。

預かり条件、ワクチン証明、薬への対応、送迎の有無、料金は施設ごとに異なります。利用可能かどうかを事前に直接確認してください。神戸市も、入院などに伴う一時預かりは市では行わず、民間のペットホテルや動物病院へ相談するよう案内しています。

長期入院・施設入居

長期入院、介護施設への入居、自宅へ戻れる見込みが低い場合は、今後誰が飼うのかを決める必要があります。ペットと一緒に入居できる施設もありますが、対象動物や費用などの条件があるため、施設ごとに確認が必要です。

親が亡くなった場合

葬儀や各種手続きが続いても、ペットの世話は止められません。まず食事・散歩・薬などの担当を決め、その後に長期的な飼い主を探します。死亡後の手続き全体は、親が亡くなった後の手続きの順番でも整理しています。

STEP4|「家族が引き取る」は本人だけで決めない

親が「私に何かあったら、あなたが飼って」と話していても、実際に引き取る人の了承と生活条件を確認する必要があります。

  • ペットを飼える住宅か
  • 同居する家族全員が同意しているか
  • アレルギーはないか
  • 先住ペットと同居できるか
  • 散歩や通院を続けられるか
  • 食費・医療費・保険料を負担できるか
  • 高齢ペットの介護に対応できるか

「誰に託したいか」だけでなく、「その人が本当に引き受けられるか」を確認します。

家族が難しいと伝えることは、ペットを大切にしていないという意味ではありません。引き取れない可能性を早めに共有する方が、別の候補や費用を準備できます。

STEP5|家族で飼える場合は登録・病院情報も引き継ぐ

マイクロチップの変更登録

環境省の登録を受けている犬や猫を譲り受けた場合、新しい飼い主は原則として取得後30日以内に所有者情報の変更登録を行います。

登録証明書は犬・猫と一緒に新しい飼い主へ渡す必要があります。親の家で、登録証明書やマイクロチップ番号、暗証記号が分かる資料を確認します。

手続きは制度の対象や取得の経緯によって確認点が異なるため、環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録について」で最新案内を確認してください。

犬の登録

犬の場合は、狂犬病予防法に基づく市町村への登録も確認します。

すでに登録されている犬を親から引き継ぐ場合は、新しい所有者が原則として30日以内に所有者変更の届出を行います。

一方、未登録の犬を新たに所有する場合は、生後91日以上であれば、所有した日から30日以内に登録が必要です。

また、マイクロチップ制度との特例に参加している自治体では、環境省への変更登録が犬の登録や所有者変更届とみなされる場合があります。実際の手続きは、新しい飼い主が住む自治体の最新案内を確認してください。

病院・薬・保険

診察券、検査結果、お薬手帳に相当する記録、ワクチン証明、薬、療法食、保険契約もまとめて引き継ぎます。特に高齢の犬・猫では、毎月の医療費や通院頻度も確認しておきます。

STEP6|家族で飼えない場合は新しい飼い主を探す

家族が引き取れない場合は、親族・友人・知人、かかりつけ動物病院、譲渡団体、譲渡会、自治体の譲渡支援などへ相談します。

自治体の対応は地域によって異なり、必ず引き取ってもらえるとは限りません。神戸市は、まず飼育を続ける方法を考え、次に新しい飼い主を探し、どうしても見つからない場合に動物管理センターへ相談する順番を案内しています。

新しい飼い主を探すときは、病気や投薬、性格、かみ癖、他の動物との相性などを隠さず伝えます。譲渡条件や相手の飼育環境も確認し、SNSだけで急いで決めないようにします。

STEP7|空き家へ残す・外へ放すことはできない

飼い主がいなくなったからといって、空き家へ残したままにする、外へ放す、どこかへ置いてくることはできません。環境省は、愛護動物を捨てることは犯罪であり、必要な世話をせず放置することも虐待に含まれ得ると案内しています。

自分たちだけで対応できない場合も放置せず、かかりつけ動物病院や親が住む自治体の動物愛護担当へ早めに相談します。

親が元気なうちに「緊急時の人」を決める

長期的な飼い主だけでなく、「今日、突然救急搬送されたら誰が世話するか」を決めておきます。第1候補が対応できない場合に備え、第2候補と民間サービスの連絡先も用意します。

  1. 最初に連絡する家族
  2. 近所の親族・知人
  3. かかりつけ動物病院
  4. 利用条件を確認済みのペットホテル・シッター

親が一人で暮らし続けるための見守りや緊急連絡については、親が一人になった後の見守りと家族の役割も参考にしてください。

今日やるなら、この6つ

  1. フード・薬・動物病院を聞く
  2. 家の鍵と緊急連絡方法を確認する
  3. 一時的に世話できる人を決める
  4. 長期的な引き取り候補へ了承を確認する
  5. マイクロチップ・犬の登録書類を探す
  6. 家族で飼えない場合の相談先を調べる

親のペット緊急時チェックリスト

まとめ|「誰かが何とかしてくれる」状態にしない

高齢の親がペットを飼っている場合、「家族がいるから大丈夫」とは限りません。本人に何かあったときは、まず今日の世話を確保し、短期の預け先、長期的な飼い主、登録・病院・保険の引き継ぎという順番で考えます。

短期の預け先と最終的な飼い主を分け、親が元気なうちに一度話しておく。

それが、親にも家族にも、そしてペットにも負担を残しにくい準備になります。

主な情報源・確認日

情報確認日:2026年9月8日

自治体による犬・猫の引取り、譲渡支援、一時預かりの有無などは地域によって異なります。実際に親がペットを飼えなくなった場合は、かかりつけ動物病院や親が住む自治体の動物愛護担当へ最新情報を確認してください。

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