親が亡くなった後の年金手続き|死亡届・未支給年金・企業年金を確認した順番

親が亡くなった後の年金手続きについて、公的年金と企業年金の確認を示すアイキャッチ 葬儀後の手続き

親が亡くなった後は、葬儀の準備と並行して、年金の手続きも確認する必要があります。

私の場合、母の葬儀を葬儀会社へ依頼したため、市区町村への死亡届の提出や埋火葬許可証に関する手続きは、葬儀会社に進めてもらいました。

ただし、市区町村への死亡届が提出されても、年金に関する手続きがすべて自動的に完了するわけではありません。

母は、日本年金機構から支給される公的年金と、企業年金連合会から支給される企業年金を受け取っていました。この二つは窓口も手続きも異なるため、それぞれ確認が必要でした。

この記事では、私が実際に行った手続きをもとに、期限、確認先、必要書類、書類が見つからない場合の進め方を整理します。

本記事は筆者の経験と、2026年8月27日時点の公式情報をもとにしています。必要な手続きや書類は、受給していた年金、家族関係、住所、マイナンバーの登録状況などによって異なります。

先に確認したい期限

年金関係では、未支給年金の請求期限だけでなく、過払いを防ぐための死亡連絡を早めに行うことが重要です。

手続き 期限・目安 注意点
市区町村への死亡届 死亡を知った日から7日以内 葬儀会社が提出を代行する場合が多い
年金受給権者死亡届 原則10日以内、国民年金は14日以内 マイナンバーが収録されていれば、死亡届単独は原則省略可能
未支給年金の請求 原則5年で時効 期限を待たず、早めに確認する
企業年金連合会への死亡連絡 すみやかに 遅れると過払い分の返還が必要になる場合がある

市区町村への死亡届と、日本年金機構・企業年金連合会への死亡連絡は別の手続きです。

私のように葬儀会社へ死亡届を提出してもらった場合でも、年金の支給元には別途確認する必要があります。

最初に行ったのは年金関係の郵便物を集めること

母の場合、年金手帳はすぐに見つかりませんでした。一方で、年金に関する郵便物は一か所にまとめられていたため、手続きを始めることができました。

最初に探したいのは、次のような書類です。

  • 年金証書
  • 年金振込通知書
  • 年金額改定通知書
  • 公的年金等の源泉徴収票
  • 基礎年金番号通知書
  • 年金手帳
  • 企業年金連合会からの通知
  • 過去の勤務先や年金基金からの郵便物
  • 年金が振り込まれていた通帳

すべての書類が見つかるまで、手続きを待つ必要はありません。

支給元、氏名、生年月日、住所、通知書に記載された番号など、分かる情報を集めた段階で、年金事務所や年金の支給元へ相談するのが現実的です。

年金手帳や年金証書が見つからない場合

年金を受給していた方については、年金証書が基礎年金番号通知書の代わりになります。そのため、年金手帳が見つからなくても、年金証書や振込通知書などから番号を確認できる可能性があります。

年金証書も見つからない場合、未支給年金の請求書には、年金証書を提出できない理由として「紛失」「廃棄済み」などを記載できます。

亡くなった方の年金証書は再交付されないため、探し続けて手続きが遅れるよりも、手元にある書類を整理して年金事務所へ相談する方がよいでしょう。

なお、亡くなった本人のマイナポータルやねんきんネットに、遺族が本人としてログインする方法は勧めません。

番号が分からない場合は、次の情報を用意して支給元へ相談します。

  • 亡くなった方の氏名
  • 生年月日
  • 最後の住所
  • 死亡年月日
  • 年金関係の通知書
  • 請求する遺族との続柄
  • 遺族本人の確認書類

公的年金では二つのことを確認する

日本年金機構から年金を受け取っていた場合、主に確認するのは次の二点です。

  1. 年金の死亡届が必要か
  2. 未支給年金を請求できるか

年金の死亡届

日本年金機構に亡くなった方のマイナンバーが収録されている場合、「年金受給権者死亡届」だけなら原則省略できます。

ただし、マイナンバーの収録状況が分からない場合や、未支給年金が発生する場合は、そのままにせず年金事務所へ確認します。

死亡の連絡が遅れると、亡くなった後の期間について年金が振り込まれ、後から返還を求められる場合があります。

未支給年金

年金は、亡くなった月の分まで支給されます。

亡くなった方がまだ受け取っていない年金や、死亡後に振り込まれた年金のうち亡くなった月分までのものは、要件を満たす遺族が「未支給年金」として請求できる場合があります。

請求できるのは、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族です。順位は次のとおりです。

  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹
  5. その他の3親等内の親族

先順位の遺族がいる場合、後順位の遺族は請求できません。母の場合は父がいたため、父が未支給年金の請求者になりました。

私が日本年金機構の手続きを進めた順番

  1. 母宛ての年金関係書類を集める
  2. 日本年金機構の公式サイトで手続きを確認する
  3. 申請書をダウンロードする
  4. 必要と思われる書類を準備する
  5. 母の住所を担当する年金事務所へ電話する
  6. 書類の不足や記載方法に問題がないか確認する
  7. 書類を追跡できる書留郵便で送る

公式サイトだけを見て書類を送るのではなく、郵送前に年金事務所へ電話したことで、自分のケースに必要な書類を確認できました。

書類が全部そろってから相談するのではなく、ある程度準備できた段階で相談した方が、不要な戸籍を取ったり、書類を取り直したりする可能性を減らせると思います。

未支給年金で確認する主な書類

一般的には、次のような書類を確認します。

  • 年金受給権者死亡届兼未支給年金・未支払給付金請求書
  • 亡くなった方の年金証書
  • 請求者のマイナンバー確認書類
  • 請求者の本人確認書類
  • 亡くなった方と請求者の続柄を確認できる戸籍
  • 亡くなった方の住民票の除票
  • 請求者の世帯全員の住民票
  • 振込先口座を確認できる書類
  • 別居していた場合の生計同一関係に関する申立書

ただし、マイナンバーの記載や家族関係によって、省略できる書類があります。また、戸籍謄本や住民票は、亡くなった日より後に交付されたものが必要です。

一般的な一覧をそのまま集めるのではなく、年金事務所へ確認してから取得する方が確実です。

郵送・窓口・電子申請から選べる

日本年金機構への提出方法には、次の選択肢があります。

  • 年金事務所への郵送
  • 予約して年金事務所などの窓口へ提出
  • e-Govを利用した電子申請

電子申請の場合も、作成した請求書をPDFまたはJPEG形式で添付する必要があります。画面への入力だけですべて完了するとは限りません。

私は郵送を選びましたが、仕事の休みが取りにくい人は、最初に電話で相談し、郵送や電子申請が利用できるかを確認すると進めやすいと思います。

企業年金連合会には別に届け出る

母は企業年金連合会からも年金を受け取っていました。

日本年金機構へ手続きをしても、企業年金連合会の手続きが自動的に完了するわけではありません。

私の場合は、企業年金連合会の公式サイトにある「死亡の届出・未支給年金等請求」のフォームから申請しました。

  1. 公式サイトのフォームへ必要事項を入力
  2. 企業年金連合会から手続き書類が届く
  3. 書類へ記入
  4. 案内された戸籍などを準備
  5. 必要書類を添えて郵送

企業年金連合会は、死亡の連絡が遅れると年金の過払いが発生し、遺族が返還しなければならない場合があると案内しています。

具体的な日数ではなく「すみやかに」とされているため、企業年金連合会からの受給が確認できた段階で、早めにフォームまたは電話で連絡するのがよいでしょう。

分かりにくかった戸籍全部事項証明書

企業年金連合会から届いた案内では、「戸籍全部事項証明書」が必要とされていました。

当時の私は戸籍の種類に関する知識がなく、戸籍謄本、戸籍抄本、全部事項証明書の違いが分かりにくいと感じました。

書類名だけを見て判断できない場合は、送られてきた案内を市区町村の窓口へ持参し、「この手続きで求められている戸籍を取得したい」と相談する方法があります。

必要な戸籍の範囲は、請求者との続柄や手続きの種類によって変わります。自己判断で複数の戸籍を取得する前に、提出先へ確認した方が無駄を減らせます。

企業年金があるか分からない場合

企業年金のすべてを企業年金連合会が管理しているわけではありません。

次の情報から支給元を確認します。

  • 通帳の振込名義
  • 年金関係の郵便物
  • 源泉徴収票
  • 年金証書
  • 過去の勤務先
  • 厚生年金基金や企業年金基金からの通知

支給元が企業年金連合会ではない場合は、記載されている年金基金、金融機関、保険会社などへ連絡します。

母の場合は年金関係の郵便物がまとまっていたため、企業年金の存在と連絡先を確認できました。

実際に手続きして感じたこと

年金の手続きでは、最初からすべての書類を完璧にそろえる必要はありませんでした。

むしろ重要だったのは、次の三点です。

  • 年金の支給元がいくつあるかを確認する
  • 過払いを防ぐため、死亡の連絡を早めに行う
  • 手元の資料をそろえた段階で担当窓口へ相談する

AIや一般のWeb記事は、必要になりそうな手続きを洗い出す補助として利用しました。しかし、間違っている情報もあったため、最終的には日本年金機構、企業年金連合会、市役所の案内で確認しました。

「全体像を調べる → 公式情報で確認する → 自分のケースを担当窓口へ相談する」という順番が安全だと思います。

まとめ:全部そろうのを待たず、支給元へ早めに相談する

親が亡くなった後の年金手続きでは、まず年金関係の郵便物や通帳を確認し、支給元を洗い出します。

  1. 葬儀会社が市区町村への死亡届を提出したか確認する
  2. 年金関係の郵便物を集める
  3. 日本年金機構と企業年金などの支給元を分ける
  4. 書類が不足していても、早めに死亡の連絡をする
  5. 未支給年金を請求できる遺族を確認する
  6. 担当窓口へ必要書類を確認する
  7. 郵送・窓口・電子申請から方法を選ぶ
  8. 手続きの完了と入金を記録する

年金手帳や年金証書が見つからないからといって、手続きを止める必要はありません。分かる情報を集めた段階で相談し、提出先から案内された書類を順番にそろえることが、過払いと手戻りを防ぐ方法になります。

葬儀後の手続き全体の優先順位は、親が亡くなった後の手続きは何から始める?でも整理しています。

次に確認する:相続などで使う戸籍

年金手続きで求められる戸籍の範囲は提出先によって異なります。続いて、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の違いと、広域交付の使い方を確認します。

次の記事:親が亡くなった後の戸籍はどこまで必要? →

情報源・確認日

確認日:2026年8月27日

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