親が施設へ入居することになったとき、今まで借りていた住宅をすぐ解約するか、しばらく残すかで迷うことがあります。本人の体調や入居先での生活がまだ落ち着かない段階では、退去を急ぎすぎると、必要な物や本人の選択肢を狭めてしまう場合があります。
最初に決めるのは「すぐ退去するか」ではなく、本人が戻る可能性、賃貸借契約、毎月の費用、荷物の保管をどう確認するかです。本人の意思を聞ける場合は、できる範囲で希望を確認します。
最初に確認|退去・継続の前に見る6つのこと
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 本人の意思と見通し | 本人は自宅へ戻ることを望んでいるか。施設入居は一時的か、長期の見込みか。 |
| 賃貸借契約 | 契約者、連帯保証人、解約の申出期限、違約金・特約の有無。 |
| 毎月の費用 | 家賃、共益費、駐車場、火災保険、電気・水道・ガスなど。 |
| 施設側の生活環境 | 家具・衣類・家電をどこまで持ち込めるか。保管スペースはあるか。 |
| 住宅に残る荷物 | 書類、思い出の物、家具、家電、売却・処分を検討する物があるか。 |
| 家族の役割 | 管理会社との連絡、荷物確認、費用負担、本人への説明を誰が担うか。 |
施設入居=すぐ退去、とは限らない
施設への入居が決まっても、すぐに賃貸住宅を解約するかは、本人の意思、入居の見通し、家賃負担、荷物の量、家族が対応できる時間で変わります。
- 退院後に戻る可能性がある
- 新しい生活環境が本人に合うか、一定期間見守りたい
- 荷物・書類の確認に時間が必要
- 家賃と施設費用を二重に負担し続けることが難しい
「戻る可能性が少しでもあるから何年も残す」「費用が気になるからすべて処分する」と急いで二択にせず、見直し時期を決めて判断します。
本人の希望を、今聞ける範囲で確認する
本人と会話ができる場合は、物を捨てる話から始めるよりも、これからの生活で何をそばに置きたいかを聞くと話しやすいことがあります。
- 施設へ持って行きたい家具、衣類、写真、趣味の物
- 自宅に残しておきたい物
- 家族に渡したい物
- 手放すことに抵抗がある物
- 管理会社や家族への連絡を、誰に任せたいか
意思を確認できる場合と難しい場合で対応は異なります。判断に迷うときは、施設の相談員、地域包括支援センター、ケアマネジャー等にも相談し、家族だけで抱え込まないようにします。
賃貸借契約と毎月の費用を、先に表にする
賃貸住宅をしばらく残す場合は、家賃だけでなく、共益費、駐車場、火災保険、電気・水道・ガスなどの固定費を一覧にします。施設費用と合わせて、月ごとの負担を家族で共有します。
解約の申出期限や条件は契約書で確認します。国土交通省の標準契約書では借主からの退去に関する事前告知を30日前とする例がありますが、実際の契約期間・特約によって扱いは異なります。
退去期限が近いときの確認順で、確認すべき日付を整理できます。
荷物は「施設へ持つ・自宅に残す・保留・手放す」に分ける
荷物を一度に処分せず、まず次の4つに分けます。
- 施設へ持って行く物:衣類、眼鏡、写真、日用品、本人が安心できる物
- 自宅に残す物:家具、季節用品、すぐには判断しない物
- 保留する物:書類、通帳、契約書、写真、デジタル機器、価値が不明な物
- 手放す候補:本人・家族で確認済みの日用品や大型の物
実際の仕分け・搬出の手順は、賃貸住宅に残る荷物の分け方を参照してください。
退去を決めた後に、まとめて確認すること
- 管理会社への解約連絡と、退去・鍵返却・立会いの日程
- 家財保険、電気・ガス・水道、駐車場、新聞などの変更・解約
- 家電4品目を含む大型家電の回収方法
- 搬出前後の室内写真と、契約書・見積書・精算書の保管
- 本人へ持ち物の行き先を共有すること
退去時の原状回復や費用は、契約内容や室内の状況で変わります。管理会社・大家と確認し、疑問があれば写真と書面を残します。
家族で決めておくと進めやすいこと
施設入居では、本人の体調変化や費用の問題で予定が変わることもあります。家族で「誰が何を決めるか」を曖昧にしないことが大切です。
- 管理会社との窓口
- 毎月の費用を確認する人
- 施設へ持ち込む物を本人と相談する人
- 自宅の鍵・書類を保管する人
- 次に見直す時期
親の暮らしを見守る際の考え方は、高齢の親の暮らしを見守るときに確認したいことも参考にしてください。
まとめ|本人の暮らしを基準に、退去の時期を考える
- 施設入居後も、すぐ退去と決めず、本人の意思・戻る可能性・費用を確認する
- 契約書で解約の期限・条件を確認する
- 荷物は施設へ持つ・残す・保留・手放すに分ける
- 本人・家族・施設・管理会社の連絡先と役割を整理する
賃貸住宅を退去する全体の流れは、親が住んでいた賃貸住宅を退去するときにやることに戻って確認できます。
情報源・確認日
情報確認日:2026年9月3日

