実家の本棚が何本も埋まっていると、何から手を付ければよいか迷います。全部の値段を調べたり、最初から全部を売る・捨てると決めたりする必要はありません。
まずは本棚全体を見て、家族に確認したい本と、種類や扱いが分からない本を分けます。そのうえで、残す・読む、譲る、寄贈する、売る、処分する、今は保留するという行き先を考えましょう。同じ家の本でも、すべて同じ方法にそろえなくて構いません。
まず本棚全体を見て、急いで動かさない本を分ける
最初は、一冊ずつ取り出さず、本棚全体と背表紙を写真に残します。「居間の本棚の上段」「箱が約5個」など、場所と量が分かれば十分です。写真に写る家族の名前や書類を、そのまま相談先へ送らないようにしてください。
次の手がかりがある棚や箱だけ、詳しく確認する候補にします。
- 家族が読みたい・残したいと言っている本、写真や手紙が挟まっている本
- 同じ専門分野の本、研究資料、郷土史や学校史がまとまった一角
- 巻番号が続く全集、箱・別冊・地図などが付いた本
- ISBNが見つからない古い本、種類や書かれた文字が分からない本
- 水濡れやカビ、強い傷みがあり、動かし方に迷う本
これは「高く売れる本」を探す作業ではなく、まとめて動かす前に確認が必要な本を見つける作業です。重い本をすべて保留箱へ移さなくても、棚ごとに紙のメモを置く方法で構いません。本に直接テープを貼らず、どこまで確認したかが分かるようにします。
本は箱に詰めると重くなります。一箱に詰め過ぎず、通路をふさぐ積み方や、高い棚から無理に取り出す作業は避けましょう。傷んだ本を強く開く、水拭きする、テープで補修するといった作業も急ぎません。カビが疑われる本を大量に広げず、扱いに迷う場合は作業を止めて相談します。
一般書・専門書・ISBNのない本は、何を見ればよいか
ISBNは本を識別するための番号です。裏表紙や奥付に「ISBN」とともに記載されていることがあります。奥付は、書名・著者・出版社・発行年月日などをまとめた部分で、本の後ろの方などにあります。見つからなければ「未確認」のまま進められます。日本図書コード管理センター
ISBNがある本にも専門書はあります。ISBNの有無だけで一般書・専門書を分けたり、値段が付くかを決めたりはしません。
一般書が多い棚は、まずまとまりをつかむ
小説、漫画、実用書など、種類が分かる本は、棚やシリーズ単位で大まかに把握します。この段階で全冊の番号や相場を調べる必要はありません。
残す・譲る本を分けた後、売却を選ぶなら、利用先がその種類・状態を受け付けるか確認します。比較的新しい本やISBNのある本でも、必ず買取対象になるとは限りません。
専門書らしい本は、分野と出版情報を残す
専門書かどうかを正確に判定できなくても大丈夫です。大学・学会・研究機関の名前がある本や、同じ分野の難しそうな本がまとまっていたら、一般書の送付箱へ混ぜる前に確認する候補にします。
| 本棚で見つけた手がかり | 代表的な数冊で見ること |
|---|---|
| 学術書・研究書・技術書など | 書名、目次、著者・編者、出版社や団体名、発行年、版 |
| 郷土史・学校史・地域の記念誌 | 地域名、学校・発行団体名、刊行年 |
| 美術書・展覧会図録・写真集 | 作家名、展覧会名、刊行年、付属品 |
| 全集・選集・シリーズ物 | 巻番号、欠けが分かる範囲、箱・別冊・付録 |
「版」は、初版・改訂版などの表示です。古さや「初版」という文字だけで高額と判断せず、書かれた内容をそのまま残します。辞典・事典のように大きく立派な本も、見た目だけで売却・寄贈できるとは決めません。
売る場合は、その分野を扱う店に確認する選択肢があります。ただし、専門店なら必ず高く買う、一般的な買取サービスは専門書を扱わない、という意味ではありません。確認先を選べるように、混ぜる前に分野を把握することが目的です。
ISBNが見つからない古い本も、すぐに処分しない
番号が見つからないからといって、価値がないとは限りません。一方で、ISBNの記載を受付条件にしているサービスもあるため、そのまま一般的な宅配買取へ送るのは避けます。
表紙・背表紙・奥付から、書名、著者、発行元、年が分かる部分を記録してください。和本などの昔の形の本、自費で作られた私家版、古い冊子も、無理に分類できなくて構いません。
読める書名や著者名から国立国会図書館サーチで出版情報を探す方法もあります。見つからない場合は写真のまま相談できます。検索結果がないことも、処分を決める根拠にはしません。
家族の記録と、本に付く別冊・付録を分けて守る
本の値段と、家族にとっての意味は別に考えます。手放す候補を確認するとき、写真、手紙、領収書、メモ、権利関係の書類が挟まっていないか、無理なく見られる範囲で確かめます。確認できていない箱は、そのことを記録しておきましょう。
| 見つかった物 | 扱い方 |
|---|---|
| 写真・手紙・個人の書類 | 本の付録と混ぜず、家族に確認する物として分ける。抜いた場合は、どの本にあったかも残す |
| 書き込み、名前、蔵書印(持ち主を示す印) | 家族が残したい理由になるか確認する。売る場合の状態の説明とは分けて考え、消したり切り取ったりすることを急がない |
| 函(本を入れる箱)、帯、別冊、地図、CD、月報(全集などに付く小冊子) | 対応する本と一緒に確認する。付録か個人の挟み物か分からなければ保留する |
| 全集・シリーズの一部 | そろっている巻と不明な巻を写真に残す。一部だけ先に捨てず、全体の確認後に行き先を決める |
| 署名らしい文字、初版・限定版の表示 | 真偽や価格を自分で決めず、必要ならそのページと出版情報を確認先に伝える |
最初の仕分けで全冊の全ページを調べる必要はありません。ただし、他人へ渡す箱に家族の記録が残っていないかは、引渡し前の別の確認です。調べ切れていない物を「確認済み」と扱わないようにします。
残す・譲る・寄贈・売る・処分・保留から行き先を選ぶ
本の行き先に正解は一つではありません。家族が読むか、必要とする人がいるか、置き場所や整理に使える時間があるかを、金額とは別に考えて選べます。
| 行き先 | 決める前に確認すること | 次にすること |
|---|---|---|
| 家族が残す・読む | 誰が読みたいか、残す範囲、置き場所 | 棚や箱を決め、誰が管理するか共有する。価格を調べなくてもよい |
| 知人などへ譲る | 相手が欲しい種類・冊数か、状態を了承しているか | 先に希望を聞き、受け渡しや送料の負担を決める |
| 寄贈する | 相手の受入対象・冊数・状態・渡し方に合うか | 図書館や団体の公式案内を確認し、受付の了承を得てから運ぶ・送る |
| 売却する | 家族の確認が済み、売る本と保留する本を区別できたか | 本の分野と量に合う店・方法を、次の節で選ぶ |
| 処分・回収する | 残す記録や付録を確認したか、所在地の分別に合うか | 自治体の古紙・ごみ案内で、本の状態に合う出し方を確認する |
| 今は保留する | 何が分からないか、誰がいつ確認するか | 不明な棚や箱を区別し、再確認する範囲と時期を残す |
寄贈は、大量の本を無条件に引き取ってもらう方法ではありません。例えば神戸市立図書館では、古い百科事典・全集や書き込みのある本などを、利用が難しい本として案内しています。他の図書館・団体も同じ条件とは限らないため、希望する寄贈先へ確認します。神戸市の寄贈案内
処分を選んでも構いません。本ならすべて古紙に出せると決めず、水濡れ・汚れ・カビのある本や、CDなど紙以外の付録はどう出すか、実家がある自治体の案内で確認してください。
遠方、退去期限、体力などの事情で全部を丁寧に調べられない場合は、不明な一角だけ保留し、家族で方針が決まった本から進める方法もあります。家族内で扱いが決まっていない本を、急いで売却・処分へ回す必要はありません。
売却を選んだ本だけ、相談先と依頼方法を確認する
一般書を中心に宅配買取を使う場合は、本の宅配買取4社を比較|返送料・キャンセル・自動承認で対象品と取引条件を確認できます。残す・譲る・寄贈するなどの方針が決まった人は、買取比較を読む必要はありません。
専門書やISBNのない古書は、分野を扱う店に、まず取扱いを相談する方法があります。日本の古本屋の古書店検索では地域や分類から店を探せます。加盟や在庫掲載だけで、買取の受付や金額、対応の良さが保証されるわけではありません。同じ本の販売価格も、手元の本の買取価格ではありません。
全冊の一覧を作る前に、本棚・背表紙、代表的な本の表紙・奥付、付録や傷みの写真で相談できるか確認します。量、実家の地域、階段・駐車場所、希望する方法も伝えます。
相談例:「○○分野の本が本棚○台ほどあり、ISBNのない本も含みます。写真で相談できますか。利用できる方法・費用・査定を断る条件も教えてください。」
店舗名・所在地・連絡先・古物商許可の表示と公的な注意喚起を確認し、次の条件を文章で残します。許可の表示だけで良い店とは判断しません。
- 持込:予約、持込可能な量、その場で査定できるか、断った場合の持ち帰り。
- 宅配:対象品・最低点数、梱包・送料・返送料、返却単位、自動承認・返答期限。
- 出張:対応地域・冊数、出張費・搬出費、当日に見せる品目、断る場合の扱い。
- 共通:値段が付かない本を返すのか処分するのか、売却が確定する時点。引き渡した範囲と査定結果も残す。
「無料査定」でも、返送料や搬出費まで無料とは限りません。また、書籍は特定商取引法の訪問購入規制の対象外となる物品です。本の出張買取にも当然に同法のクーリング・オフが使えるとは考えず、契約・引渡し前にキャンセル条件を確かめます。消費者庁の訪問購入案内と対象外物品
本の相談で訪問してきた相手から、貴金属など別の物を強く勧められても、その場で見せたり売ったりする必要はありません。困ったときは消費者ホットライン「188」などへ相談してください。
まずは「残す本と、まだ判断できない棚を区別できた」まででも十分です。本の種類を完璧に判定することより、確認が済んだ物から、無理のない行き先を決めていきましょう。